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「学校教育に音楽の授業って必要??」
と質問を投げかけてみたところ、多くの方々から投票をいただいたので、
こちらの記事で、少しまとめてみたいと思います。
回答者様にはこの場を借りてお礼申し上げます。
さて、男女比や年齢ごとの詳しいデータは、こちらから見て頂くとして、
ここでは寄せて頂いたコメントについて、自分の感じたことを書いておきたいと思います。
以下に記すことは、あくまでも私自身の個人的な所感および願いですので、
答えてくれた方を否定する気持ちはございません。
音楽以外の教科に力を入れてほしい。(「不要」と答えてくださった方)
→
これはある程度、予想できたコメントではありましたが、実際には同じ考えの方が
他にもいらっしゃると思いますので、自分としての考えを書きます。
(所感)
現在のところ、センター入試やほとんどの一般大学に入る上では、
必要とされない教科ではありますし、
音楽は好きなものを好きなように聞けば十分とも言えるかもしれません。
しかし、大学を出て社会に出た時や、その子が自分の力で戦わなければならなくなった時に、
「総合力」という観点から見ると、差が出てくるだろうと思います。
音楽が音楽だけで存在しているとは考えづらく
・歌詞は国語に
・音符や音そのものはは数学や理科に
・クラシック音楽の歴史はそのままヨーロッパ社会の歴史に
・異文化共通のコミュニケーション手段としては英語に
・音楽を聴く力そのものは人を思いやる道徳の力に
と、絡めていけばいくらでも他の教科とつながることができます。
ただ、往々にして、学校内の「音楽」は独立した教科になりやすく、
ほかの教科と一体化させて授業を展開できていないところは、残念ではありますが、
それでも、音楽もひとつの教科として学べていたかどうかは、そのまま
他の教科の応用的なものの見方に比例していくのだと思います。
得意な子と苦手な子との差がありすぎる。 (「どちらかというと不要」と答えてくださった方)
→
この方は、ご自身は外部で習っておられたのか音楽が得意だったそうなのですが、
そうすると、音楽の授業で扱う内容はレベルが低すぎておもしろくなくなる。ということでした。
この意見はなかなか鋭い意見だなと思いました。
(所感)
理想を言えば“得意な子も苦手な子も楽しめる音楽”を扱うことができれば一番いいのですが、
実際にはそうも簡単にいかないと思います。
やはり、音楽を一定のレベルで楽しむためにはある程度の下地も必要になってくるため、
下地の部分を学校教育の中で担うという側面があるからです。
ただ、これに関しては授業者の展開次第で改善できる部分もあります。
回答者様の場合、
音楽が得意な子にとってはレベルが低く、
音楽が苦手な子にとっては意味がわからないために
面白くない授業になってしまったようです。
つまるところ、 得意な子も苦手な子も面白くないと思っていた可能性が高いですよね。
音楽自体の面白みの部分に焦点をあてて話ができれば、その中には
両者とも楽しめる内容があったのではないかと思います。
他には、難易度の違う2つの楽譜を用意して、それでデュエットをするなどの方法も考えられます。
極端に音痴な僕は音楽の授業が嫌で…(「不要」と答えてくださった方)
→
これが、一番シンプルに胸に響きました。きっとこの方にとって音楽は苦痛だったんだろうなと。
(所感)
基本的には音感が元々ない子どもというのはいません
それがいわゆる音痴の状態になる原因は、ほとんどの場合、音楽の教師にあります。
「あなた下手ね」
この一言を皮切りに子どもは音痴になっていきます。
「あ、僕歌下手なんだ」
と思うことが歌を下手にする一番の原因です。
裏を返せば
「僕歌うまいかも」
と思えば歌は上手くなっていきます。
もちろん、そこには細かいテクニックなども多少あるのですが、
そこは音楽教師が耳で聞いてアドバイスをすればいいのです。
なので、ろくにアドバイスもせずに「下手ね」と言うだけでは
音楽の教師としては失格だと思います。
人前で歌うことが恥ずかしいという感覚は、
「歌う自分を受け入れてもらえないかもしれない」
というところに端を発しています。
だから、音楽の教師は歌う子どもを、受け入れることからはじめるべきだと思っています。
ここまで三つのコメントに対して書いてみて思うこと、
また、ここ最近自分が出会った音楽教師を思い出して思うことは、
「変な音楽の先生があまりに多い」
ということです。
不幸にもこの変な音楽の先生に学生時代にあたってしまった人は、
その人が普通の感覚の持ち主であればあるほど、
音楽が嫌いになっていくのだと思います。。
そしてそれは、
音楽の本質とはかけ離れたところで、音楽嫌いをつくる
という、とても残念な現象でもあるのです。
一音楽家として、一教育に携わった者として、
音楽の純粋な良さを通して、子どもたちに音楽の魅力を伝えることができるよう
がんばっていきたいと思います。