今日は午前中にfacebookで知ったコンサートを聴きに
急遽銀座にある王子ホールまで行ってきました。
そのコンサートというのは、これ。
Daniel Perantoni with Friends
(ダニエル・ペラントーニと仲間たち)
世界的なチュービストであるダニエル・ペラントーニと素晴らしい共演者の方々によるコンサートでしたが、
中でも私がこのコンサートに急遽赴くことを決めたのが、
トーマス・リューディ氏の出演でした。
彼のことを初めて知ったのは一昨年の12月で、
知り合いのユーフォ奏者の方から教えていただきました。
その時に見たyoutubeの動画がこれなのですが、
これを見たときの衝撃は今でも忘れません。
音色、歌心、技術
どれをとっても素晴らしく、
「世の中にはユーフォニアムをこんな風に吹くことのできる人がいるんだ」
と、驚きにも近い出会いでした。
彼の演奏をいつか生で聴いてみたいと思っていましたが、
彼は、普段ヨーロッパを中心に活躍しているためなかなか演奏を聴く機会はありませんでした。
そんなその彼が、今回、日本でコンサートに出演することを
今日の今日まで知らなかったというのはとても恥ずかしい話ですが、
私の一番の感想は、
間に合って良かった。
大げさな表現ではなく、
私は、生涯今日の演奏会を忘れることはないと思います。
一曲目のFour Short Pieces(四つの小品)/F.Bridge
の一楽章の出だしの音を吹いた瞬間のこと…
え?
良い音過ぎて、吹き始めたことに気づきませんでした。
もちろん彼は吹いてます。しかし、
たった一つのその音が、美しすぎて、音だと認識することできなかった。
そんな感覚。
今までにたくさんの素晴らしいユーフォニアム奏者の演奏に触れましたが、
今日のような感覚は初めてでした。
そこからはまさに“彼の世界”に誘われるがままです。
一音一音を決して聞き逃すまい、そんな風に自分の体がそう言っているような気がしました。
私の少ないボキャブラリーではこれ以上、今日の感動を言葉に残すことができませんが、
音楽には必ず“音楽”があり、
そしてその“音楽”を創り上げるのはたった一つの“美しい音”である。
トーマス・リューディのユーフォニアムは、そう語っているように聞こえました。
幸せでした。