難しいものに触れ続ける大切さ〜『ローマの祭』を指揮して

  • 2019年12月10日
  • 2019年12月13日
  • 日記
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最近、ありがたいことに一般バンドの吹奏楽団を指揮させてもらうことが少しずつ増えてきました。

と言っても自分は指揮専門ではないので、

少しでも自分に役に立てることがあるのなら

みたいなスタンスで指揮や合奏の手伝いをさせてもらっています。

特に中学生や高校生の吹奏楽部とは違い、一般バンド・アマチュアの主に大人の方々を相手にする場合は色々と勝手が違うことも多いのですが、、

それについてはまたの機会に話すとして、

今回は別の話。

“難しいものに取り組み続けることの大切さ”

という内容のお話です。

今合奏をさせてもらっている一般団体が取り上げている曲の中にレスピーギ作曲の『ローマの祭 4楽章』があります。

残念なことに、僕自身はユーフォニアム奏者なので『ローマの祭』の原曲には元々ユーフォパートはありません。

そんなわけでこれまで『ローマの祭』の楽譜をちゃんと見ることもなく、今回指揮させてもらうにあたって初めてスコアを見たんですが、

「よくできているなぁ」

と感心しっぱなしです。

考えてみれば当たり前なんです。レスピーギさんごめんなさい。

今回見ているのは主に吹奏楽版なわけですが、それでも楽曲の大枠や基本的な構成、何がすごいかはなんとなくわかるもので、

「この曲こんな風にできていたのかぁ」と感心するわけです。

曲自体は比較的有名なので聴いたことある人も少なくないと思いますが、「聴いてきれい」と「演奏しやすい」というのは全くの別もので、この作品も「聴いてきれいだけど演奏は大変」な部類の曲だと思います。

特に「拍子感」のそれについては秀逸で、文字通り“お祭り”のどんちゃんさわぎ感を非常によく表している一方で、きれいに聴こえるように演奏にするのは非常に難しい作品です。

僕は普段中高校生、しかも主に小編成バンドを指導することが多いので、曲も比較的理解しやいものを取り扱うことが多くなります。

そんな中、久しぶりに見たしかも原曲がオーケストラの『ローマの祭』のスコアはなかなか新鮮な発見にあふれていました。

「教える」ことを仕事にしていると、自分よりレベルの高い人に何かを教える機会は少なく、結果として扱う内容も毎回同じようなレベルになります。

そうして、できるものや分かるものばかりを扱っているといつの間にか「惰性」が始まってしまって、成長するというハードルも高くなってしまいます。

今回の『ローマの祭』のスコアはそんな自分に「惰性になってんじゃねぇぞ」と言っていました。

人間、特に大人になると今までの貯金で日々を過ごしてしてしまいがちです。ただ、たまには背伸びしないと届かないような難しい内容に手を出してみた方がいいです。

それが、今回の一般バンドの例みたいに「とにかくやらなきゃいけない」環境だと尚更いいと思います。

だからこそ、こういう機会は一つ一つ大切にしたいと思います。

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