(この記事は音楽にまつわるエピソードを元に書かれています。そのため一部の方にはわかりづらい内容が含まれておりますことを予めご了承ください。)
きっかけは指導させていただいている学校の定期演奏会で「なんの曲をやるか」に悩んでいたことでした。
その学校は中高一貫校で、高校生の定期演奏会として開催する演奏会の中で
「中学生主体でできる曲」を探していました。
個人的な思いとして、
生徒は、短い学生生活でそれほど多くの曲に出会えるわけではない。だったら、
なるべく普遍的に「良い」とされている作曲家の作品を扱おう。
という考え方があるので、日本人作曲家よりも外国人作曲家の作品を選ぶことが多いです。
そんな理由もあり、今回は中学生にも扱いやすい作品ということでアメリカの有名作曲家ジェームス・スウェアリンジェンの曲から2曲、
『コヴィントン広場』
『管楽器と打楽器のためのセレブレーション』
のどちらかにしよう。
というところまで決めていたのですが、最後の「決め手」がなく決めあぐねている状況でした。
そんなある日、
毎月パートレッスンをしている小学校にレッスンに伺った時のことです。
その学校ではちょうどその時、
『管楽器と打楽器のためのセレブレーション』
を練習していました。
小学校といってもこちらの学校は吹奏楽コンクールで全国大会に出場するほどの実力を持った小学校で、中学生顔負けの演奏をします。
そんな学校の顧問の先生とは2011年、前任校の時からの長いお付き合いになのですが、
この先生、教師としてはもちろん指導者としても本当に素晴らしい人格者で、
こういう先生の元で音楽ができるてい子どもたちはとても幸せだと思います。
そして、レッスンで扱うレッスン曲も難易度と曲の完成度とのバランスが毎回絶妙で、
「いつも良い曲を選ぶなぁ」と陰ながら思っていました。
そんな先生が偶然にも『管楽器と打楽器のためのセレブレーション』を取り上げておられたこと。
それに加えて、
「中学生でこの曲を演奏するの、どう思いますか?」
とレッスンの際にお尋ねしたら、
「とても良いと思いますよ」
と言っていただけたことで、
私は、指導している高校生の定期演奏会でこの曲を取り上げることに決めました。
あんなに出なかった最後の一歩が驚くほどすんなり出たのです。
今は、インターネットを使ってどんなに遠いところにある商品でも簡単に手に入る時代です。
そんな時代にあって、人は最終的に何を「決め手」にしてものを選び、買っているのでしょうか。
昔と比べると、
「何をどこで買うか」よりも
「誰から」買うか
が重要になってきているような気がします。
僕も今回のように、何かを選ぶ時に、少し調べると情報が溢れ過ぎていて、結果、
逆に「決められなくなる」ということがよくあります。
だからこそ、
信頼できる人からの一言
にはとても「価値」があって今回のように決めかねる時などには本当に参考になります。
この情報があふれた時代では、人が何かを選んで購入する時には
ある分野に関して信頼できる人がどれだけ自分の周りにいるか。
が、とても重要な決め手になっているのではないでしょうか。