児童合唱の魅力~渋谷区少年少女合唱団第2回定期演奏会~

世間は3連休の中日。
今日はこちらの演奏会を聴きに行ってまいりました。

渋谷区少年少女合唱団第2回定期演奏会
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渋谷区少年少女合唱団ホームページ

なぜこの演奏会に、行くことになったかといいますと
大学時代の同級生山中惇史
Facebookで宣伝していたのを見かけたから。

彼は、この合唱団の創立時から
ピア二スト、編曲者として関わっているそうです。

大学時代、彼の作品や演奏を何度か耳にする機会があったのですが、
どれも彼の温かくも芯のある人柄が滲み出た素晴らしい作品ばかりでした。

そんな彼がこの合唱団のために編曲をした
『日本・四季の旅』
今回委嘱初演されるということで
興味を持って行ってきました。

感想から言いますと…

鳥肌たちまくり

でした。

曲の素晴らしさは
言わずもがなですが、

児童合唱×日本の歌

という組み合わせはこうも人を感動させるものか
と、演奏中何度も思い知らされました。

ここで先ず、曲の印象をまとめてみると…

日本の歌の良さをや個性を捉えた上で、
全体としてはオーケストラ作品を想像させるような壮大な編曲

でした。

ピアノも広い音域に渡り技巧的で、
児童合唱にしてはかなり珍しく、
途中でピアノの特殊奏法が入ったりフルートを篠笛の代用として使ったりと

かなり新鮮な編曲でもありました。

曲は大きく分けて三つの部分から成っていました。

壮大な“うみ”をクライマックスに据えた一部
おぼろ月夜~茶摘~夏は来ぬ~ゆりかごの歌~われは海の子~うみ

日本の遊び歌を三つのセクションパートに分けて
異なる遊び歌が同時に絡み合う二部
わらべうた~赤とんぼ~たき火~

そして、
日本の田舎独特の物悲しさを帯び、
聴く人をノスタルジックにする夕やけ小やけで締めくくる三部
(お正月~さくらさくら~夕やけ小やけ)

です。

こうしてまとめてみると、本当に一曲のオーケストラ曲のよう。
作品の質の高さに驚かされます。

それらの曲がそれぞれに
複雑なピアノ伴奏、和楽器を模した伴奏、アカペラと
様々な形態で演奏されつつも

元々の印象を決して損なうことなく
大人から子供まで、
誰もが楽しめる作品に仕上がっていました。

実際、この曲の時は観客が
ぐっとステージに引きつけられていたのが印象的でした。

そして、
曲の素晴らしさと同じくらい印象に残ったのが、

児童合唱の美しさ

です。
小学一年生から中学二年生までと
声変わり前の子供たちによる合唱は

純粋な美しさ

に溢れていました。

当然、子供ですから声量とか迫力というものは大人には適いません。

しかし、まだ幼いからこそ
子供(人間)が元々もっている歌声の美しさ
を感じることができました。

一人一人から発せられる細く美しい糸が
集まった音の束は

それでも、まだまだ繊細で儚く

だからこそ聴く人の耳を
そこに集中させる。

大人のプロの声楽や楽器による音楽が

耳に届く音楽

であるのに対し、
今日聴いた児童合唱は

耳が聴きに行く音楽

というような印象でした。

自分の耳が積極的に聴きに行こうとする

それは、
美しいものにそっと触れようとする感じ
に少し似ているかもしれません。

と、文章に起こすと
自分のボキャブラリーの限界を感じます。

きっと僕がどんなに文章に書き表しても
読み手に鳥肌を立たせることは、出来ないんだと思います。

こんなことわざわざ書かなくても、
その音楽を聴いた瞬間に自分の身体は

音に反応し、鳥肌が立つ。

これこそ音楽のもつ本来の力なのだと思います。
いい音楽に出会えた瞬間でした。

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