お世話になっているNPO法人音楽ネットワークの活動で、
文化庁芸術家の派遣事業(文化芸術による子供の育成事業)の一環として
品川区立荏原第六中学校に行ってきました。(学校HPはこちら)
2012年に建て替えたばかり校舎はとてもきれいでした。
こちらの、荏原第六中学校は品川区が力を入れている『小中一貫教育』に取り組んでいる学校で、
地域の小学校との様々な連携を行っているそうです。
(実際、公演日の午後にも地元小学生を招いての科学教室がありました。)
今回の事業では、年3回にわたって
中学1~3年生(一貫教育のため7~9年生と呼ぶ)計約300人を対象として
演奏披露の他、歌唱指導や部活指導を行いました。
公演のプログラムは…
体験型音楽会「リトル・アカデミー・オーケストラ」
〇 各学年の合唱(計3曲)
〇 演奏家によるコンサート(約50分)
〇 全校生徒による合唱(「希望の歌」)
と、かなり盛りだくさんの内容でした。
そして、今回の公演でとても印象に残ったことがあります。
それは、子どもたちの合唱です。
中学生というと、
男子が変声期を迎えたり、
思春期ということで人前で歌うのが恥ずかしくなったり、
と歌うことに少し抵抗が増える年頃ですが、
こちらの荏原第六中学校の生徒さんは、どの学年も本当に素晴らい歌声でした。
その中でも特に圧巻だったのは、最後全校生徒による「希望の歌」。
この曲にはベートーヴェンの“交響曲第9番から「歓喜の歌」”のフレーズが使われているのですが、
アルトリコーダーの三部演奏に続いての大合唱は、
伴奏していた自分としてもグッとくるものがありました。
こういった歌の完成度の高さについて、
ここまで指導された音楽の先生の努力抜きには語れないと思うのですが、
それ以上に子どもたちが素直に歌える教育環境をつくっている
学校全体としての雰囲気があったように感じます。
そして、終演後、荏原第六中学校の先生方とお話させて頂いて感じたことは、
子どもたちをしっかりと思いやりを持った
指導に対して熱意のある先生が多い
ということでした。
ちなみに、今回は合唱の伴奏ということで中低音重視の編成。
・ ピアノ
・ ギター
・ ファゴット
・ ファゴット
・ ユーフォニアム
・ チューバ
・ 各種打楽器
という7人で、クリスマスの曲から沖縄民謡まで幅広いプログラムを演奏しました。
低音の編成ということで当初どんなアンサンブルになるのかと思いましたが、
始まってみると意外にも(?)素敵なサウンドになっていたように思います。
そして、鑑賞時も荏原六中の生徒さんは、とても素直な反応で真剣に聴いてくれていました。
そんな鑑賞態度ひとつとっても、
こちらの学校の生徒さんが恵まれた環境で勉強に励んでいるのだと、感じます。
最近、中学生教師による問題発言などがニュースで取り上げられていますが、
良い先生に恵まれるかどうかというのは、子どもの成長にとって本当に大切なことです。
子どもに教師を選ぶ権利がない以上、
教師はつねに高い意識をもって教育に携わってほしいと切に思います。
最後になりましたが、こちらの学校の校長先生が頻繁に更新していらっしゃるブログに
今日の記事が早速取り上げられたいましたので、紹介させて頂きたいと思います。
六中ブログ→素晴らしかった芸術家の方による演奏会♪
このブログ、生徒も頻繁にチェックしているそうです。
校長先生と生徒がブログでつながるというのは、
“現代ならではのコミュニケーション”
なのかもしれません。