この度、知り合いの方に色々と相談を受け、ピアノ教室の立ち上げ(開業)に関わらせていただくことになりました。
せっかく音楽に関わる人向けのブログを書いているので、「ピアノ教室開業記録」をシリーズにして残していきたいと思います。
ピアノ教室を開く場所を決める
ピアノ教室を開業するにあたってまず最初に考えるのが「教室を開く場所」です。
開く場所については、大きく分けて、
①自宅で開業する
②教室用に物件を借りる
の2つに分かれると思います。
それぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどっちの方がいいとは言えませんが、今回の場合は「教室用に物件を借りて」の開業となりましたので、その場合について書いていきます。
自宅開業のメリットとデメリット
メリット
・固定費がかからない
・地域コミュニティのつながりが最初からある
デメリット
・ピアノ教室の評判がご近所との評判に直結する
・ON(仕事)とOFF(自宅)の切り替えが必要=生活感を消すのが難しい
物件開業のメリットとデメリット
メリット
・仕事場として整えた環境を作りやすい
・お金をかけることでモチベーションにつながる
デメリット
・固定費がかかる
・集客が大変
物件を借りる地域を選ぶ
「物件を借り」てピアノ教室を開業することになった場合、次に考えるのは「どこ(地域)に物件を借りるか」ということです。
今回の場合、開業したい場所が東京都だったので幸い様々な選択肢がありました。地域を決めるにあたり考えたポイントは全部で5つです。
ピアノ教室開業する地域を決める5つのポイント
【お客さんに関して】
・集めたい生徒(子供?大人?年配の方?)が住んでいる地域か
・地域の年収はどうか
【土地に関して】
・ピアノ教室をできる物件があるか
・家賃はいくら
・その地域に他にピアノ教室はあるか
集めたい生徒が住んでいる地域か
これが一番大切ですね。ピアノ教室を開く以上、誰に向けてピアノの魅力を伝えたいのか。があると思います。一番集めたいのは、子どもなのか、大人なのか、それとも年配の方なのか。まずはそれを明確にしましょう。
そして、教室を開く地域を選ぶ際には、必ず「集めたい生徒」が住んでいる地域を探すといいと思います。
今回の場合は、集めたい生徒が「子ども」だったので、ファミリーが住んでいる地域かどうかをリサーチしました。
地域名 子供 数
地域名 家族 住みやすさ
地域名 子育て
などで検索すると、どの地域がどういった地域かを知ることができます。
地域の年収はどうか
続いて、その地域の「年収」です。
生徒目線に立つと、ピアノ教室を探す時に重要なポイントとなる要素が「月謝」です。やはり、あまりにも経済的な余裕がない地域に開業してしまうと生徒が集まりづらくなってしまいます。
そして、開業する側から見ても、教室を開業する以上毎月のきちんとした「売り上げ」も必要になります。そこで、安定した収入を確保するためにも、ある程度理想とする「月謝」設定を行う必要が出てきますので、地域の「年収」は重要なポイントとなります。
そういう意味で、地域の年収を予め調べておくことは大切になってきます。
ちなみにこれも、
地域名 年収
で検索すると簡単に知ることができます。
年収を踏まえて行う「適切な月謝の設定について」は、また別の記事で書きたいと思います。
(関連記事→ピアノ教室開業記録|第3話 目標生徒数と月謝の算出方法)
ピアノ教室をできる物件があるか
地域が絞れたら次は、その地域に物件があるかどうかを調べましょう。ピアノ教室を開くにあたり最低限必要な要素は
・防音物件あること(可能なら24時間音出し可能)
・教室利用可能物件であること
の2つです。防音物件にも様々なランクがありますが、教室利用していても隣から音が聞こえてきてしまってはレッスンになりません。そのため、24時間音出し可能物件=防音がしっかりとした物件ということが大切になってきます。
2つ目の「教室利用可能物件」についても、その数は意外と限られているので、物件探しの際は注意する必要があります。
そして、良い防音条件の物件かつ教室利用可能な物件となるとそれなりの家賃になることも多いので、そこはある程度覚悟も必要となってきます。
ちなみに今回の場合は、23区内で24時間音出し可能で家賃13万円の物件を契約しました。
家賃はいくらか
良い地域にある良い物件は、ある程度の家賃になってきます。しかし、裏を返せばそれは
家賃がそれなりの値段=それを払えるだけの人が周囲に住んでいる
ということでもあります。
「ちょっと高いかな?」と思ってもそれだけの価値がありそうな物件であれば契約してしまっても良いかもしれません。
その地域に他にピアノ教室はあるか
最後のポイントは「その地域にすでにピアノ教室があるか」ということです。これも、
地域名 ピアノ教室
で検索すると簡単に出てくると思います。その際は、ピアノ教室大手のヤマハやカワイなどの教室ではなく「個人のピアノ教室」があるかどうかを調べるようにしましょう。
ただ、ここで一つ勘違いしてはいけないのが
ピアノ教室がない=チャンスではない
ということです。むしろ1つか2つ大きな教室がある方がピアノ教室を開くには良い地域ということになります。
その理由は、
ピアノ教室がない=ピアノを習いたい人がいない
から。特に東京のような人がたくさん住んでいる場所には、必要なもの(需要)に対してはそれなりの供給が既にされています。
なので、「ピアノ教室がないからここはチャンスだ!」と安易に思わないようにして、むしろ「この地域には、個人のピアノ教室があるからある程度の需要があるんだな」と考える方がいいかと思います。
まとめ
今回は、ピアノ教室開業にあたって最初のポイントとなる「地域と物件の選び方」について書きました。
その分、いい物件に出会うことができれば、ピアノ教室としての展望も自ずと明るくなってくることも間違いありません。
特に自宅以外で開業する場合には、固定費の面から見てもここが最も重要になってくるかと思いますので、慎重かつ思い切って選ぶことが大切になります。
次回は、地域を決め物件に目星をつけた後の、「実際に物件を内見にいった時」のことを書きたいと思います。
次の記事はこちら
→ピアノ教室開業記録|2.物件内見の際に気をつけたい8つのポイント
知人の方のピアノ教室の開業をお手伝いさせていただくにあたり、ピアノ教室開業記録として順を追ってご紹介しています。 前回の記事では、ピアノ教室開業にあたっての地域と場所の選び方について書きました。特に地元でない場所で教室を開く場合にはどこで[…]