芸術鑑賞会を小学校で行う時の3つの問題点

芸術鑑賞会というと中学校・高校の学校行事というイメージが強い。

しかし、実際には小学生でも積極的に
芸術鑑賞会やアウトリーチを取り入れている学校は多く、

私自身も多くの小学校に芸術鑑賞会・アウトリーチでお邪魔した。

今回は、そういった経験も踏まえて小学校での芸術鑑賞会について記事にしたいと思う。

芸術鑑賞会を小学校で行う時の3つの問題点

芸術鑑賞会を小学校で行うにあたって生じる問題が3つある。

それは、

 問題①:小学生向けの芸術鑑賞会の企画が少ない。

 問題②:年間行事が充実しており鑑賞会を入れる余裕がない。

 問題③:年齢幅が広く、鑑賞する題材選びが難しい。

の3つである。

この3つの問題について、少し具体的に見てみよう。

マッチング

理由①:小学生向けの芸術鑑賞会の企画が少ない。

実は、以前、勤めていた小学校が、
芸術鑑賞会を行っている学校だったのだが、

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・小学生には難しい題材で、説明なども不十分な
 わかりづらい伝統芸能の公演

・小学生向けということで幼稚なプログラミングで、
 演奏の熱が伝わってこないクラシックの公演

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など、今考えてもひどい公演を見た。

そういった「小学生だから」と下に見たような芸術鑑賞会の企画団体があることが、
小学校で芸術鑑賞会が行なう際の問題点のひとつだろう。

小学生


理由②:年間行事が充実しており鑑賞会を入れる余裕がない。

中学生や高校生に比べると小学生は年間通しての行事数が多い。

遠足、運動会、文化祭、、社会科見学、野外活動、修学旅行、6年生を送る会…

他にも、全学年のプールやマラソンなど
1年生から6年生まで毎日何かしらの行事に向けて動いているのが小学生である。

そんな年間通して忙しい中に芸術鑑賞会を入れることが難しいという
学校側の事情も少なからずあるだろう。

中学生と小学生

理由③:年齢幅が広く、鑑賞する題材選びが難しい。

最後に、もしかするとこれが一番の理由かもしれないが、

中学校・高校が3年間なのに対して、
小学校には1年生(7歳)から6年生(12歳)までの子どもがおり、
1年生と6年生が同時に楽しめるような鑑賞会というのは非常に難しい。

結果、学校は

・低学年と高学年に分けて鑑賞会を行う

・4年生なら4年生というように1つの学年に固定して鑑賞会を行う

といった対応をしているが、これはこれで準備が大変になる。

そして、理想を言えば、もちろん全学年が毎年行った方が良い。
そうすれば小学校だけで6回もの芸術鑑賞会を行うことができる。

子ども時代に多くの芸術に触れることは、
情操教育の面から見ても、多くの良い影響があることは間違いない。

また、(特に低学年など)長時間座って鑑賞することが難しい。
といった、この年齢ならではの問題もある。

ここまで、小学校で芸術鑑賞会を行う時の3つの問題点について述べたが、

個人的には「小学生という年齢の低い感受性の豊かな時にこそ芸術鑑賞会を行ってほしい」と考えている。

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