話題の映画『グレイテスト・ショーマン』観てきました。
ミュージカル映画といえば、
『オペラ座の怪人』
『レ・ミゼラブル』
などが個人的にも感動した作品でしたが、今回の「グレイテスト・ショーマン」もそれらとはまた違う魅力に溢れた作品でした。
今回は、そんな『グレイテスト・ショーマン』のあらすじとまとめていくことで見えてきた隠れたメッセージについて記事にしたいと思います。
※ここからは、ネタバレなども含みますので、ご覧の際はご注意ください。
ミュージカルのモデル
『グレイテスト・ショーマン』は2017年に作られたアメリカのオリジナルミュージカル映画です。
ただ、この話には“モデル”となった人物がいます。それがこの人。
P.T.バーナム(1810〜1891)。
そして、バーナムが歴史に名前を残した一大事業が、
サーカスの興行
でした。
このミュージカル映画はバーナムがサーカスを一大事業として成功させるストーリーをベースに、人が生きていく上で大切なことを教えてくれています。
あらすじ
映画のあらすじをまとめてみます。実在したP.T.バーナムの史実に基づいた物語にオリジナルのストーリーも加わり、とても濃い内容になっています。
バーナムとチャリティ
映画はバーナムの少年時代の物語から始まります。
バーナム少年は元々、洋服の仕立て屋として貴族の館に出入りしていました。そこで、後の妻となるチャリティと出会います。
幼い二人は、一時離れ離れになってしまいますが、数年後、成長してめでたく結ばれます。
とは言っても、元々身分も育ちも違う二人。チャリティの父親には反対をされています。
それでも、チャリティは不自由のない暮らしを捨てて、バーナムとの生活を選びました。
二人の間には、娘も二人生まれて、貧しいながらも幸せに暮らしていました。
大人になったチャリティは後に言っています。
私は愛のために全てを捨てたわ。
〜byチャリティ
バーナムの“想像力”
幸せな生活を送っていたバーナムでしたが、務めていた鉄道会社が倒産してしまいます。
しかし、ここからが、彼の本領発揮。
彼は持ち前の“想像力”を発揮していきます。
人は見たことないものに惹かれるんだ。
〜byバーナム
リストラ時に手に入れた船の許可証を担保に銀行からお金を借りて、博物館をオープンしました。
ギロチン、象やキリンの剥製…etc
などを展示しますが、博物館の経営は散々。
そこで、バーナムの娘が言います。
博物館のものは全部死んでるわ。生きたものを展示しないと。
〜by娘
ハッとするバーナム。
彼は、“生きていて面白いもの”=“生まれつき個性的な人”を集めてショーを行うことを決めました。
世の中から“freaks=奇形”と言われて虐げられている人々にバーナムはどんどんスポットライトを当てていきます。
髭の生えた女性、黒人、背の高い人…etc
(その中には、実際のバーナム氏が興行を共にした小人症の「親指トム」のモデルと思われる人物もいました。)
そして、このショーは大ヒットします。
評論家には「低俗だ」と揶揄されますが、人々はみんな笑顔になって帰っていく。そんな人を幸せにするショーでした。
バーナムの欲とリンドとの出会い
しかし、一度成功してしまうと“欲”が出てくるのが人間。
バーナムにも欲が出てきます。それは、
もっと一流の芸術を興行して、名声を得たい。
という思い。
そんな折、バーナムは新しくパートナーとなった劇作家フィリップ・カーライルに紹介されヴィクトリア女王に謁見することとなります。
貴族を責めるなら、トップの中のトップから責めないとね
〜by フィリップ・カーライル
その謁見中に彼が出会ったのが、当時ヨーロッパで時の人となっていたオペラ歌手のジェニー・リンド。
バーナムは持ち前の自信で、リンドに言います。
「私と一緒にアメリカツアーをしよう。必ず成功する。」と。
リンドとバーナムには共通点がありました。それが、二人とも
満たされていないということ。
リンドも婚外子で生まれ、決して“満たされることない人生”だったのです。
決して満たされない。
〜♫NEVER ENOUGH
すれ違うバーナム
そんなリンドは自分を必要としてくれるバーナムに惹かれる部分があったのでしょう。
バーナムもリンドとの公演で手に入れることができた名声に“酔って”います。
それは、公演を観に来ていたサーカスの仲間たちさえも蔑み、公演後のパーティー会場に入れたがらない程に。
しかし、彼らサーカス団のメンバーも黙ってはいません。
私たちは自分に自信を持ってる!
〜♫THIS IS ME
すれ違う、バーナムとサーカスの仲間たち。
バーナムの焦りにも似たアメリカツアーの巡業に忠告をする妻ミシェルですが、舞いあがったバーナムはその助言に耳を傾けません。
すれ違う、バーナムと妻ミシェル。
成功するアメリカツアーと成功しないサーカス
リンドとバーナムのアメリカツアーは成功の中進みます。
一方で、バーナムに代わりフィリップが座長となったサーカスでは、興行収入が落ち込んでいます。
そして遂に“freaks=奇形”の公演をよく思わない民衆と、サーカス団とのケンカが勃発。
火をつけられてしまい、劇場は燃え落ちてしまいます。
ツアーを途中にして帰ってきたバーナムの目の前には焼け落ちていく自分の劇場。
落ち込み、一人酒場で酒を飲んでいるバーナムのところにやってきたのは、自分が一度は蔑んだはずのサーカスの仲間たちでした。
本当に大切なもの
彼らは落ち込んだバーナムに言います。
自分たちはバーナムさんのおかげでスポットライトを浴びることができたんだ。家族を手に入れることができたんだ。
〜byサーカスの仲間たち
バーナムは本当に大切なものに気づきます。
走り出すバーナム。リンドとの不意のキスを報じられ、実家に帰ってしまっていた妻ミシェルの元へ向かいます。
幼いころ二人がこっそりと会っていた海岸でミシェルに言います。
僕は求めすぎていた。
〜byバーナム
彼は、本当に大切なものを思い出しました。
サーカスの復興
そして、パートナーであるフィリップが密かに貯金してくれていたお金のおかげで、サーカスは新天地でスタートすることができました。
サーカスにとっての新しい劇場。それこそが、
海岸そばに張った大きな“テント”だったのです。
2つのテーマ
このミュージカルの一番わかりやすいテーマはやはり、
自分に胸を張って生きていこう。〜♫THIS IS ME〜
でしょう。
しかし、その向こう側にもう一つのテーマがあります。それが、
本当の幸せ と 本当の芸術
ということ。
一時は名声に目が眩んでバーナムは、目の前にある大切な二つの幸せ「サーカス」と「愛する家族」を失いかけます。
しかし、最終的には、その二つが自分にとってかけがえのないものであることに気付かされています。
そして、映画の最後に添えられる、P.T.バーナムの言葉。
THE NOBLEST ART IS THAT OF MAKING OTHERS HAPPY.
〜崇高な芸術とは他者を幸せにすることだ〜
この映画の最後は、バレリーナを目指す娘の公演を妻と観ているバーナムの幸せな姿で終わっています。
そこには、
子どものバレエであっても人を幸せにできる。それだって人を幸せにできる立派な“芸術”なんだ。
というメッセージが隠れているように思います。
まとめ
ミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』はわずか100分程度の映画とは思えないほど中身の濃い映画でした。
やはりその魅力は、耳に馴染みやすい音楽とダンスで
人に勇気を与える
という“どストレートな力”だと思います。
その一方で、実在した興行家P.T.バーナムという人物から見えてくる、
人を幸せにする芸術の力
というメッセージもこの映画の力の源になっていると思います。
見終わった時に、たくさんの人にこの映画が届けば良いなと単純に思いました。
※ブログの記事を書くにあたって下記より引用をさせていただきました。ありがとうございました。
出典:Wikipedia,Digital Spy,Wallpapers,YouTube