【演奏会】プーランクの夕べ〜読響管楽器奏者による〜

本日はコンサートスタッフとして
こちらの演奏会に関わってまいりました。

読響管楽器奏者によるプーランクの夕べ
プーランク

木管5重奏にピアノを加えた6重奏編成のコンサート

この6重奏の編成自体は決してポピュラーではありませんが、
プーランクがこの編成のために曲を書いたことで
演奏会では割と目撃頻度が高めです。

その他のプログラムも全てプーランクの曲に
統一され、とても面白いプログラムでした。

《プログラム》
ノヴェレッタ(5重奏)
クラリネットソナタ
ホルンのためのエレジー
ピアノとオーボエとファゴットのための3重奏曲
フルートソナタ
木管6重奏曲

こうして見るとプーランクが
この編成を構成する楽器のために
多くの曲を残したことがわかります。

ちなみに金管には
トランペットとホルンとトロンボーンのための3重奏曲
があります。

どの曲も、
管楽器大国フランスのカラーが全面に出ており
おしゃれでありながら
どこか諧謔性を帯びた曲が並びました。

クラリネットのソナタ

は、とにかく演奏された金子さんの音楽性が
素晴らしかったです。
クラリネットが音色、音域、音量
の全てにおいて表現力豊かな楽器だということを
実感しました。

ホルンのためのエレジー

若くして亡くなった天才ホルン奏者
デニスブレインを追悼するために書かれた曲。
ホルンのソロで始まる冒頭も印象的ですが
それ以上にホルンで強奏される16部音符が
まるで死という絶対的な力を表すようで
衝撃的です。

オーボエとファゴットとピアノのためのトリオ

学生時代に同級生のオーボエとファゴットの二人が演奏していて聞き覚えがありました。

とてもキャッチーな旋律やプーランクらしい和声が
ダブルリード特有のコミカルさを十分に引き出す名曲だと思います。

なんでもこの曲を演奏したいということで今回の演奏会が行われたとか。

フルートソナタ

一度聴いたら耳から離れない主題を元に展開され、
フルートの機動性や音色感をしっかりと引き出す曲です。

木管6重奏曲

この曲がプログラムの最後でした。
木管5重奏にピアノを加えた編成で
それぞれの楽器を自由に組み合わせながら
描かれる3楽章形式の曲。
この演奏会の終曲に相応しいと同時に
プーランクのこの編成における集大成ともいうような
挑戦的で可能性に溢れた素晴らしい作品でした。

そして、曲の素晴らしさもさることながら
演奏者の方々が本当に素晴らしかったです。

難曲ぞろいのプログラムを
圧倒的な技術と音楽性、
さらには素晴らしい奏者の個性を加えて

まさに圧巻の演奏でした。

スタッフだったので全曲譜めくりしながら
聞いていたのですが、
素晴らしすぎて譜めくりを忘れてしまいそうでした。

普段日本を代表するオーケストラの第一線で活躍されている
皆さんに共通していたことは、

楽器が鳴る

ということです。
音が大きいとかそういうことではなく

本当に楽器そのものが限界まで振動している感じ
です。

ピアニストの隣という普段なかなか聴けない
至近距離で聴くことができ、
いつも以上にそれを感じることができました。

年間を通して多くの公演に関わらせて頂きましたが、
個人的には、今日の演奏が今年一番すごかったです。

もちろん自分が管楽器奏者だということもありますが、
一線で活躍するプロの演奏を
その息遣いや雰囲気も含めて
リアルタイムで感じることができて、
本物の“本物”たるゆえんを感じることができました。

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